レポート:自分が経営者ならどういう会社にしたいか? ~未来の仲間たちへ~

20161116

 大嶋 恭輔

 

<なぜ会社は存在するのか?>

この問いに関して、個人的にはD・パッカードの言葉が最も自分にとって当てはまる。

「会社が存在する理由は、1人では成し遂げる事の出来ない事を成し遂げる為である。」

会社とは、金儲けの為に存在するのではない。会社には多くの人間が携わるのだが、顧客・社員・取引先・株主、それぞれに存在する理由があると思う。その存在は企業理念に基づき、為したい事によって結び付けられているのだと考える。

 

 

<私の為したい会社のイメージ>

仕事とは、少なくとも現在の日本においては最も時間配分の高い活動である。それ故にという事だけではないのだが、私は、会社を働くメンバーが皆生き生きと仕事を楽しむことのできる場所としていきたいと思う。

仕事を楽しむ事で、皆が人生の楽しさや豊かさを満喫できるようになるべきであると考えている。会社という存在を、世の中に楽しさやワクワクを媒介するプラットフォームのように出来ればとても良いと思う。

 

 

<共通価値観>

会社に集う人間は、それぞれに個性や感情を持っていると思うのだが、価値観は共通のものを持っている事が望ましいと思う。人それぞれに「楽しさ」や、「充実」「豊かさ」というものは異なるが故に、会社には共通価値観と呼べるものが明に暗に必要であると思う。

世界的にも名だたる企業、またそうでなくとも優れた共通価値観・ビジョンを掲げ、優秀な社員で構成されている会社は多くある。私は、その中でもJ&Jのクレドとグーグルのものが個人的には好きなのだが、日本ではリクルートの「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という価値観は秀逸であると思っている。

 

共通価値観が会社にとって大変重要な意味を持つという例は枚挙に暇はないが、私の求めたい共通価値観は「飽くなき成長を追い求め、未来を創造し続ける」というものである。

 

まず成長に関してなのだが、人間には本来誰にでも成長欲求があると思う。これには理由はなく、あえて言うならばDNAに組み込まれているからという事になると思っている。ただ、だからといって求める成長のレベルが皆一様に同じという事は無い。これは、どこまでが良くてどこまでが良くないと言えるのかという線引きの問題でなく、コンフォートゾーンに居る事に対する危機感を持ち得るか、変化を好み楽しむ事が出来るか、挑戦を生きがいにすることが出来るかといった観点より、価値観の近いメンバーと一緒に仕事をしていきたいと思う。

また、未来を創造し続ける事に関して言えば、前提として未来は明るいと思う(思い込む)力が必要になる。これも理屈ではないが、あえて理屈を言うならば情報革命のもたらす環境変化を見れば分かると思っている。2016年現在は、過去からの連続した流れの一部ではない。とりわけ、1998年グーグルの登場と2007年のアイフォンの登場により、世界は大きな変化を遂げている。国家レベルで環境が変わっていく未来があると思っており、(詳細理由は割愛するが)未来が明るいのはコンテクストより明白であると思っている。

故に、未来を創造し続ける事は、人類にとっても明らかにプラスになる事であり、社会的意義の極めて高い事であると考えている。

 

 

<組織構造に関して>

組織は戦略に従い、戦略は環境に従うと思っている。ゆえに、外部環境や自らの事業領域・成長フェーズによって組織構造は変わって然るべきであると思う。ただ、これからの未来を創造していくにあたり、私が理想的だと感じている組織を挙げるなら、それは3次元構造の組織形態となる。

 

ここで、3次元構造の組織とはどういうものかを説明する前に、組織を形成するパワーの源は3分類あるという前提の共有が必要になる。分類は、ポジションパワー(公式の力)・リレーションパワー(関係性の力)・パーソナルパワー(個人の力)となる。

ポジションパワーは端的に言えば「役職」に表される公式の力である。これは、組織的に言えば縦の関係となる。上司と部下という形であり、社長⇒部長⇒課長⇒係長⇒主任・・という1次元的な表現になってくる。

これに対して、リレーションパワーは関係性の力である。これを組織的に言えば、機能別組織のような縦と横の2次元的な表現になり、各機能の関係性を表すようになると思っている。このパワーが強いと、部門横断的な取り組みがうまくいくのでないかと思うし、部門間のシナジーなども生まれやすいのでないかと思っている。

最後にパーソナルパワーは、個人の能力そのものとなる。現在、副業を推進する企業が少しずつ出てきており、クラウドソーシングのような働き方も拡大しているのだが、これを組織的に表現すると縦と横の2次元の組織に奥行(別業界などの職務)が加わって3次元的な組織と表現する事ができるのでないかと思っている。

 

これら1次元2次元3次元における組織構造は、経済成長に合わせた遷移のトレンドによって、ある程度の説明がつくのかと思っている。例えば、高度経済成長期は1次元的な組織が良いと思うのは、量を働けば成果はついてくるので、量を速やかに確実にこなせる体系が良いという事になる。昇進なども、経験値がそのまま経済の成長曲線と比例するので、年功序列で良いという事になる。

経済が成熟してくると、量を働くだけでは成果が出にくくなるので、役割を分担して生産性(質)を上げる取組が必要になってくる。この2次元組織では、部門同士の連携力が業績に与える影響が大きくなってくる。

そして、現在および未来では、その業界や社内だけの知識や能力では成果が出にくい状況になってきているのでないかと感じている。このような環境においては、パーソナルパワーをどれだけ無駄なく活かせるかという事が、企業が勝ち残って行く為に重要になると思っている。理由は、新しい提供価値は従来の仕事の延長線上に無い場合が多いのでないかと感じるからである。故に、3次元組織は最も現在及び未来に効果的な構造となってくるのでないかと感じている。

 

このパワー分類を言い換えればポジションパワー≒1次元組織で有効な力、リレーションパワー≒2次元組織で有効な力、パーソナルパワー≒3次元組織で有効な力となるのでないかと思う。それぞれの組織構造によって、組織内でのパワーバランスを調整する必要がある。この場合、究極的な3次元組織においては、役職の存在は最小限になり、社内での縦の序列が希薄化する。

 

私のつくりたい組織構造は、上記に延べた3次元構造の組織であり、ポジションパワーを主とした序列は最小限にしておきたい。ただ、この章の冒頭にも述べたように、組織は戦略に依存し、戦略は環境に依存する。

もし、現に我々の指揮する組織が軍隊であるならば、飛び込み営業主体の販社であるならば、もしくはマズローの欲求の下2層に属する成員で構成されているならば、我々は直列型組織や官僚制組織を採用する必要があるかもしれない。組織論は常に状況依存的である事は、柔軟に捉えていきたいと思う。

 

 

<組織メンバーに関して>

先に述べたように、共通価値観を持つという事は大前提としてあるのだが、それ以外で言うならばチームは多様性のあるメンバーで構成されれば良いなと思っている。これは組織構造とも結びつくのだが、会社を将来にわたり成長させ続けるために、多様性は重要な要素であると考えているからである。

 

多様性と言っても、色々とあるのだが、私の言う多様性は即ち時間配分に表われる。例えばなのだが、124時間として10時間仕事・6時間睡眠・3時間食事・2時間スマホ・3時間○○・・・というように、24時間のうちの時間配分が極力バラバラであるメンバーで構成されているほうが良いと思っている。平日はともかく、土日も同じような時間配分のメンバーで構成されるチームは創造性に欠けると感じているからだ(この考えには、やや偏見もあるかもしれないのだが・・)。

この考えが何に繋がって来るかというと、就業規則や働き方につながってくると思っている。時間配分の異なるメンバーで構成しようとすると、必然と勤務パターンは多様化する。3時間勤務、6時間勤務、8時間勤務、週休3日、週休4日などである。

スタートトゥデイのように16時間勤務のような就業規則例もあるし、ヤフーも週休3日制の検討に入る等、業種業態にはもちろんよるのだが、労働時間はじめ会社に拘束される時間は、これからどんどん短くなってくるだろう。私も勤務時間に関しては16時間程度が妥当でないかと思っている。そして、週休は3日くらいが妥当と感じている(この話を深堀すると国内GDPなど国家について論じる事になるのだが、当然ここでは割愛する)。もちろん、個々の時間生産性はかなり高いものが要求されると思うのだが、週休3日で16時間勤務という労働環境は、私のぜひとも実現させたい環境の1つである。

 

話が組織メンバーから労働環境に飛んでしまったが、多様性のある自立したメンバーに集まってほしいという事と、その為の環境つくりは充分に考えているという事でご理解頂きたい。

 

 

<メッセージ>

人は誰もが必ず死ぬし、いつ死ぬかはわからない。自分の命をどう使うかは人それぞれなのだが、限りのある時間の中で、人生を楽しく豊かなものにする事は誰にとってもとても重要で関心のある事だと思う。

 

現在は時間の多くを仕事に割く必要があるのだが、私は将来的に仕事がたとえ週1日になろうと、仕事が楽しい事は同じように重要であると思うし、言い替えれば人生は楽しい事が重要であると思う。

そして、なぜ仕事が楽しいのかと言うと、挑戦し成長を感じる事が出来るからだと思う。未来に近づいていることを実感する事で、自分自身の存在意義を確かめる事ができるからであると思う。そして何より、その楽しみや喜びを仲間と分かち合う事が出来るからであると思う。会社とは、1人では成し遂げる事の出来ない事を成し遂げる為に存在する。

 

「飽くなき成長を追い求め、未来を創造し続ける」

 

コンフォートゾーンに居る事に危機感を持ち、変化を楽しみ、挑戦を生きがいにする、もしくは挑戦している人間を全力で応援する事に喜びや幸せを感じる事のできる価値観や感性を持つ人間の集う場所。そしてその場所は、人類が未来を創造していく為の社会的媒介中心性を持つ。私は、会社をそのような場所にしたいと強く本気に思っている。

 

 

以上