みなさま、こんばんは。チャージック代表の大嶋です。
本日のテーマは「加速する時間(前編)」です。
今回は「予期せぬ環境変化」を起点とした更なる変化を僕なりに考えてみたいと思います。
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前回は外部環境の変化を「移動の変化」「消費の変化」「価値観の変化」という3つの視点より簡単に確認し、「チャージックとして今何をするべきか?」を考えてみました。
簡単に再掲しますと、
移動が大幅に制限された結果、本来は移動する必要がなかったモノが顕在化し、対面でないといけないと思われていたモノ(サービス)は、この機会に移動しなくても価値提供できるモノ(サービス)に変化していく傾向が現れるのではないか。
また、消費が堅実化した結果、本来は不必要な消費も顕在化します。つまり、中庸なポジションの商品やサービスは明確なポジションを取りにいかないことには成り立たなくなってきます。
そして、移動と消費が変化することで現れる傾向は、産業構造を大きく変えるきっかけになり、産業構造の変化は価値観の変化を加速させるのでないかと思います。
ちなみに、人々の価値観がどのように変わるのかは想像でしかありませんが、「現時点での経済的な成功やお金でなく、生きていく力を重要視する人が増える」のでないかと予測しました。
*「チャージックとして今何をするべきか?」は割愛します。
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価値観の変化はともかくとして、移動や消費の変化は現在起こっている事ですし、その他の要素を引き連れながらも保々このような方向に動いていくだろうと思っています。
また、今回のような近い将来予測でなくとも、そもそも将来予測というものは多少の方向誤差はあれども大体誰しもがわかるものだと思っています。
例をいくつか挙げますと、「宇宙旅行は一般的なものになる」「全ての車は自動運転になる」「AIが多くの仕事を代替するようになる」「すべての人がインターネットに接続されたデバイスを身につけるようになる」「ロボットが一家に一台の時代になる」・・・等々です。
少し極端な例でしたが、変化の方向としては間違っていないと思いますし、いつかはそうなるものばかりだと思います。
ただ1つわからない事は、その「いつか」が5年後なのか10年後なのか30年後か100年後か、もしくはもっと先なのかを予測するのはとても難しくて、それは正確には誰しもが分からないという事です。
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テック関連のベンチャー起業ではタイミングがとても重要と言われますが、それは新しいサービスが時代の環境変化に適合することが大きな成功要因だからです。逆に言えば、リリースが早すぎたがゆえに失敗したサービスやプロダクトもとても多いです。
これは、環境変化は当該事業における技術的なものに限らず、外部環境としての政治や社会をはじめ経済全体やテクノロジーインフラなど多くのものに左右されるため、変数が多すぎる(ゆえに時間軸がわからない)という事だと思います。
*この辺は「ブログVol.05 XとYの分析」で少々触れています。
とりわけ、今回のような新型ウイルスによる環境変化を時期まで予測できた人は誰一人いないと思います。
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前回ブログは3月26日でしたが、それ以降にも新型ウイルスによる世界的被害はさらに拡大しています。
日本でも4月7日に政府より緊急事態宣言が7都府県に発令され、休業要請や外出自粛がとても強くなりました。
伴い移動や消費の変化も加速していき、様々な業種業態が経営的打撃を受けているのですが、何とか生き残っていこうと変化している方々もいます。
ここでは、とりわけ大きな環境的打撃を受けている「飲食業」「スポーツ/エンタメ業」でみられる変化について確認してみます。
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まず「飲食業」なのですが、顧客があまり外出できませんので来店客が激減しています。ですので、対策としてデリバリーサービスを行う店舗が増えています。
ひと昔前であれば、飲食業のデリバリーと言えばラーメン屋さんの出前のようなイメージだと思いますが、今ではデリバリー専門業者を介在して行うサービスが主流になっています。デリバリー専門業者は、出前館とUberEatsの2社が中心になっているようです。
また、広告宣伝に関してもひと昔前はチラシ作成してポスティングという方法が主流だったと思いますが、現在はSNSや動画サービスで行っている店舗が多いようです。
そもそもデリバリーサービスは物理的な商圏が決まっていますので、ポスティングは効率的な広告宣伝だと思うのですが、大半の人がスマホを持っている現在では自店舗(自社)発信のSNSや動画サービスはそれ以上に効率的で欠かせない広告宣伝手法だという事でしょう。
この飲食業変化のモデルケースというべき姿をとても簡潔にわかりやすく表現していたネット記事がありましたので、要点のみを抜粋させて頂きます。
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以下抜粋
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昼間はスタッフと一緒にUberEatsの配達員として働き、夕方からはYoutube用の料理動画を撮影。
調理しているYoutubeを観て食べたいと思った人が、
・レシピを見て自分で作るならnote、
・今すぐ届けて欲しいならUberEats、
・事前予約して取りに行くならPICKS、
・余った時に通知が欲しいならTABETE、
・食材やミールキットや通販はBASE、
・お店に行きたくなったらtoreta、
・お店のファンになりたいならfavyサブスク
それぞれYoutubeの説明から1タップで、その人の都合に合わせて選べる様にした。
たまたまSNSなどで動画が流れてきて、うまそうなオムライスが作られていた時に、1Pushで家に届いたり、通販で買えたり、来店予約をしたり。
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いかがでしょうか? 抜粋した中には入っていませんが、記事内では店舗発信のSNSもフル活用しています。もはや、今までの飲食店のイメージとはかけ離れたものになっていますが、この変化は程度の差こそあれ現在進行形で起こっているものです。
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次に「スポーツ/エンタメ業」で起こっている変化を確認してみます。
現在は、野球、サッカー、バスケなどのメジャースポーツをはじめほぼ全てのプロスポーツが休止されています。また、演劇やコンサート、サーカスなどのエンターテイメントも行われていません。
そのような中、4月9日にアメリカのフロリダ州は州の必要なサービスとして「全国に視聴者のいるプロスポーツのメディア制作」を「無観客」を条件として認めました。WWEというプロレス団体が4月13日に興行を行い、UFCという格闘技団体もフロリダ州での興行再開を検討しているようです。
そして、日本でも4月17日に「Road to ONE」という格闘技の興行が「無観客」で開催されます。このONEに関しては、試合会場は非公開です。
いずれにしても、無観客で行えるという事は、メイン収益が観戦チケットや会場物販に依存していないのだと思います。
ちなみに日本で一番人気のプロスポーツは野球ですが、昨年は年間850試合以上が行われており、巨人や阪神だと1試合平均で4万人以上の観客動員数があります。観客動員数が低い球団でも平均2万人以上ですので、これを無観客で行うのは収益構造(ビジネスモデル)として難しいのでないかと予想されます。
つまり、「スポーツ/エンタメ業」は今後、無観客でも成立するようなビジネスモデルへ変化していく必要があると思います。
蛇足ですが、格闘技は日本で最も大きい大会で、ようやく3万人を動員するくらいです。1万人を超える格闘イベントは年間でも数えるほどしかないと思います。(もっと盛り上がって欲しいな・・)
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本日は「飲食業」「スポーツ/エンタメ業」で現在起こっている変化について確認してみましたが、その他産業でも当然に変化は起こっています。
そして、この変化は連続的に更なる変化を促すと思いますし、ある産業の変化は別の産業の変化を引き起こしていくでしょう。
次回「加速する時間(後編)」は、現在起こっている「飲食業」「スポーツ/エンタメ業」の未来予想と、その他の未来予想として、僕が個人的に今までの考え方や価値観を180度ひっくり返された「住居」というものについて考えてみたいと思います。
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今はまだ「人類と新型ウイルスとの戦い」は終わりが見えていません。世界中で多くの方々が不安な日々を送っています。皆がそれぞれのできる事をやる。僕も自分にできる事をします。がんばりましょう。
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Stay safe.
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それでは、また!